はじめに
映画『汝、星のごとく』で、かなり印象に残る人物が久住尚人です。
櫂の漫画家としての相棒であり、親友でもある尚人ですが、物語の途中で自ら命を絶ちます。
「尚人はなぜ死んだの?」
「恋人の安藤圭とはどんな関係?」
「櫂とはどんな関係だった?」
この記事では、映画と原作小説の内容をもとに、尚人の死因、自死に至った理由、安藤圭との関係、櫂とのつながりをネタバレありで解説します。
※ここから映画・原作の重大なネタバレを含みます。
久住尚人は誰?櫂の漫画家としての相棒
久住尚人は、青埜櫂と一緒に漫画家を目指す人物です。
役割としては、
櫂が原作担当
尚人が作画担当
というコンビ。
映画では松村北斗さんが演じています。
櫂にとって尚人は、単なる仕事仲間ではありません。
東京で夢を追う時間を共有し、何でも話せる親友でもあります。
櫂が恋愛では暁海に心を預けていたように、仕事では尚人が大きな支えになっていました。
尚人の恋人・安藤圭とは?
尚人には、安藤圭という恋人がいました。
映画で圭を演じているのは城桧吏さんです。
尚人はゲイで、そのことを櫂には打ち明けています。
圭との交際は尚人にとって大切なものでしたが、この関係が週刊誌に知られたことで、人生が大きく変わります。
安藤圭は当時何歳だった?
圭は高校3年生の3月。
誕生日が3月末だったため、尚人との旅行時点ではまだ17歳でした。
そのため2人の関係は、週刊誌によって未成年との交際として大きく報じられます。
ここは少しややこしいですが、3月後半生まれなら、高校卒業時点でも17歳のことがあります。
つまり「高校を卒業している=必ず18歳」ではありません。
尚人と圭の関係がリークされる
尚人と圭の関係が報じられると、問題は尚人個人だけでは終わりませんでした。
櫂と尚人が連載していた漫画にも影響が及び、
連載打ち切り
アニメ化中止
へと発展します。
櫂も巻き込まれる形で仕事を失い、2人の漫画家としての人生は大きく崩れました。
尚人にとっては、恋人との関係だけでなく、夢や仕事まで一気に失う出来事だったわけです。
尚人の死因は?
尚人の死因は、自死です。
原作でも映画でも、尚人は自ら命を絶ちます。
映画では、翌朝に櫂が浴室で尚人の死に気づく形で描かれます。
ナレーションで「尚人は自殺した」と説明するのではなく、映像で観客にわからせる演出です。
具体的な方法については細かく説明されていません。
そのため記事では、浴室で自死したとだけ書くのが安全です。
尚人はなぜ自殺した?
ここが一番難しいところです。
尚人が亡くなるのは、スキャンダルの直後ではありません。
その後も長く低迷し、苦しい時間を過ごします。
そして病気になった櫂と再び向き合い、2人は昔の恋人たちについて調べます。
圭がその後も生き、自分の人生を歩んでいることを知る。
暁海もまた、自分の道を進んでいる。
それを見た櫂と尚人は、久しぶりに楽しく酒を飲み、
「もう一度漫画をやろう」
という話をします。
尚人もその言葉を喜びます。
ところが、その翌日、尚人は亡くなります。
「不幸に耐えられなくなった」だけではないと思う
尚人の死は、
「スキャンダルがつらかったから自殺した」
だけでは説明しきれないと思います。
もちろん、恋人との関係を暴かれ、仕事を失い、人生が崩れたことは、長く尚人を苦しめていたはずです。
でも亡くなる前夜の尚人は、むしろ久しぶりに幸せそうです。
圭が生きている。
櫂も自分を必要としている。
また漫画を描けるかもしれない。
ずっと折れる寸前だった心に、一気に大きな変化が押し寄せた。
それがたとえ幸せな変化だったとしても、尚人には受け止めきれなかったのではないか。
私はそう読みました。
「最高で最低の気持ちの中で終われたら幸せだ」
「最高で最低の気持ちの中で終われたら幸せだ」
尚人の最後は、まさにそれに近いものだったのかもしれません。
ずっと苦しかった。
でも最後の夜だけは、圭が幸せに生きているとわかり、櫂ともう一度漫画を描けるかもしれないと思えた。
久しぶりに希望が見えた。
だからこそ、
「もう思い残すことはない」
という気持ちに近づいてしまった可能性もあります。
もちろん、これは私の解釈です。
原作では尚人がなぜその瞬間に死を選んだのか、理由をひとつに断定していません。
だからこそ読む人によって受け取り方が変わる場面だと思います。
尚人は圭の人生を気にしていた?
尚人にとって圭は、ただの元恋人ではありませんでした。
2人の関係が報じられたことで、圭の人生まで傷つけてしまったのではないか。
尚人はずっと、そんな罪悪感を抱えていた可能性があります。
だからこそ、圭がその後も生き、自分の人生を歩んでいることを知った意味は大きいです。
圭が無事に生きている。
それを確認できたことで、尚人の中にあった大きな重荷が少し下りた。
その安心も、最後の夜の感情につながっていたのかもしれません。
原作と映画で尚人の描写は違う?
大きな流れは同じです。
ただし映画では、原作より時間が圧縮されています。
原作では、病気になった櫂が尚人の家で過ごす時間があります。
一方、映画ではその期間が短く再構成され、尚人と櫂の最後の時間がより凝縮されています。
そのため映画では、
「あんなに楽しそうだったのに、なぜ翌朝?」
という衝撃がより強く感じられる作りになっています。
尚人の死は櫂にも大きな影響を与える
尚人を失ったことは、櫂にとっても非常に大きな出来事です。
櫂にとって尚人は、東京で夢を追った時間そのものを共有した相手でした。
恋愛では暁海。
仕事では尚人。
どちらも櫂の人生に欠かせない存在です。
だからこそ尚人の死は、単に「仕事仲間を失った」というだけではありません。
櫂自身の人生の一部を失うような出来事だったのだと思います。
尚人と圭は本当に愛し合っていた?
少なくとも、尚人にとって圭はとても大切な存在でした。
世間からどう見られたかとは別に、尚人の気持ちまで嘘だったとは描かれていません。
『汝、星のごとく』は、
「正しい幸せ」
をひとつに決めない作品です。
私が原作を読んだときに強く感じたのも、
「幸せのかたちを決めることはできない」
ということでした。
尚人と圭の関係も、世間の目と本人たちの思いがぶつかった関係のひとつだったのだと思います。
おわりに
久住尚人の死因は自死です。
しかし「なぜ死んだのか」は、週刊誌のスキャンダルだけでは説明しきれません。
長い間傷つき続けたあと、圭が幸せに生きていることを知り、櫂とももう一度漫画を描けるかもしれない。
尚人にとっては、久しぶりに大きな希望が見えた夜でした。
だからこそ私は、尚人は不幸に耐えられなくなっただけではなく、突然訪れた大きな幸福にも心が追いつかなかったのではないかと思っています。
原作でも映画でも、理由をひとつに決めていないからこそ、尚人の最後は強く心に残る場面でした。
ここまで読んでいただきありがとうごさいました。
原作の詳しいネタバレ記事かこちら
→『汝、星のごとく』ネタバレ結末|櫂は死ぬ?暁海・北原先生との最後を解説



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