『みいちゃんと山田さん』1、2、3巻 ネタバレ 実話モデルの残酷な真実とみいちゃんの過去とは

漫画
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はじめに

マガポケオリジナル作品の亜月ねね先生の『みいちゃんと山田さん』のネタバレです。
1巻から3巻です。

みいちゃんと山田さん | 【第1話】1か月目 / マガポケ | 少年マガジン公式無料漫画アプリ

みいちゃんと山田さんは隔週日曜日に更新です。

『みいちゃんと山田さん』フィクションだけど“現実にいそうな子”の物語

最近、X(旧Twitter)やSNSでよく見かけるようになった漫画
『みいちゃんと山田さん』
「歌舞伎町」「キャバクラ」「知的障害のグレーゾーン」「若い女性の搾取」など、
どうしても“重い”キーワードが並ぶ作品です。

正直、読む前から胸がざわつきますし、
軽い気持ちで読めるタイプの漫画ではありません。

でも、目をそらせない現実をそっと突きつけてくるような、
そんな強さを持った一作です。

私は3巻(第16話)まで読んだ時点で、
「これは絶対に誰かと共有したくなる物語だ」と感じました。

この記事では、作品の魅力と、
今リアルに社会で起きている“若年女性の搾取問題”とのつながりを紹介した後、
1〜3巻のネタバレをまとめています。

ぜひ心の準備をしながら読み進めてみてください。

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なぜ今、この作品が話題になっているのか

“フィクション”なのに、現実の声と重なる

この作品、作者の友人の実体験をモデルにしたフィクションです。
ただ、その内容があまりに“ありがち”で、SNSでは

「こういう子、本当にいる」
「助けが届かない子の末路ってこんな感じ」
「読んでてつらいけど現実そのもの」

といった声が増えています。

現実にもいる“支援につながらない”若い子たち

最近ニュースでも取り上げられる
「東横キッズ」や家出少女たち

彼女たちの多くは

  • 家に居場所がない
  • 経済的に困窮
  • 学校不適応
  • 性に対する境界が薄い
  • 大人を信用できない
  • 支援につながらない

といった問題を抱えています。

支援者側がよく口にするのは
「助けようとしても、本人が拒否してしまう」
という現実。

その背景には、
・過去の虐待
・愛着障害
・知的・発達グレーゾーン
・大人=怖い or 利用してくる存在
といった経験が積み重なっていることが多いです。

『みいちゃんと山田さん』の主人公・みいちゃんも、まさに“その層”

みいちゃんは
・読み書きが困難
・善悪の基準が育っていない
・他者との距離感がわからない
・承認=性
・自分を守れない
・家族からの放置
という、“支援が必要なのに、支援につながらなかった子”。

東横キッズや家出少女の問題を知っている人なら、
「あ、現実と地続きだ…」
と感じざるを得ないと思います。

だからこそ、この作品が“話題になっている”のです。

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ここからネタバレ

『みいちゃんと山田さん』1〜3巻

キャバ嬢×知的障害×DV×育児放棄…胸が締め付けられる実話ベースの物語

亜月ねね先生の漫画『みいちゃんと山田さん』。
作者の友人の実体験をモデルにしたフィクションでありながら、描かれる内容は想像を超えて重い。
1巻〜3巻は、「殺害される12か月前」から始まり、みいちゃんがどんな環境で生き、どう壊れていったのかが淡々と描写されます。

この記事では、
1巻〜3巻(第16話まで)のネタバレと感想をまとめています。

登場人物

みいちゃん(中村実衣子)

みいちゃんと山田さん より

21歳。出身は宮城県。新宿歌舞伎町のキャバクラ『Ephemereえふぇめーる』で働きはじめた。

山田マミ(源氏名)

みいちゃんと山田さん より

新宿歌舞伎町のキャバクラ『Ephemereえふぇめーる』で働く21歳。大学生。

店長

みいちゃんと山田さん より

新宿歌舞伎町のキャバクラ『Ephemereえふぇめーる』の店長

桃花(源氏名)

みいちゃんと山田さん より

新宿歌舞伎町のキャバクラ『Ephemereえふぇめーる』のキャストのひとり。
人当たりがきつい。

ココロちゃん(源氏名)

みいちゃんと山田さんより

新宿歌舞伎町のキャバクラ『Ephemereえふぇめーる』のキャストのひとり。
現役大学生で卒業したら夜の世界とは縁を切ろうと思っている。

シゲオ君

みいちゃんと山田さんより

新宿歌舞伎町のキャバクラ『Ephemereえふぇめーる』のお客さん。
みいちゃん指名でガチ恋しているオタク。

ムウちゃん(榎本睦)

みいちゃんと山田さんより

みいちゃんの幼馴染。知的障害あり。

佐藤

みいちゃんと山田さんより

みいちゃんの中学時代の同級生

1巻ネタバレ 

殺されるまでの“残り12か月”が始まる

山田が見た「去年のままの花」

物語は、山田がみいちゃんの墓参りに来るシーンから始まる。
去年供えた花がそのまま残っている──
ここで読者は「あれから何年経ったんだろう」と感じ、胸がざわつく。

2012年1月、新宿・歌舞伎町

山田が働くキャバクラに、体験入店としてみいちゃん(本名:中村実衣子)がやってくる。
二人は同じ21歳。しかし、みいちゃんは遅刻、接客もできず、
本名を客に名乗るほどの危うさを持っていた。

山田は「マミ」という源氏名だが、みいちゃんに苗字を聞かれとっさに「山田」と嘘をついた。
そこから、みいちゃんから「山田さん」と呼ばれるようになる。

みいちゃんの“できなさ”と幼さ

・漢字が小学生レベルで読めない
・叱られるとすぐ癇癪
・ネットリテラシーゼロ
・接客のルールも覚えられない

店長はみいちゃんにプラスチック製のマグカップを与え、
山田はそこに似顔絵を描いてあげる。
みいちゃんは子どものように喜ぶ。

そして少しずつ「指名」が増えるが──
その理由は枕営業だった。

「エッチだけは対等になれる」

みいちゃんは、客だけでなく、ボーイや送りの男性にも体を許していた。

山田が理由を尋ねると返ってきた答えは衝撃的。

「それ以外の関わり方がわかんない。
喜んだり、褒めてもらえるのが、エッチだけ。
みんなみいちゃんのことバカとか可哀想とか見下してるけど、
エッチの時だけは対等に接してくれる」

読者はここで初めて、
みいちゃんの「性」を通じた承認欲求とトラウマの深さに気付かされる。

万引き事件と“ペロペロで解決”の闇

みいちゃんが万引きで捕まる。
店長は警察を呼ばなかった理由を、みいちゃんがあっけらかんと話す。

「店長さんのちんちん舐めたからね〜」

ここで山田は気づく。
“叱ってくれる大人”が、みいちゃんの人生に一度もいなかったということに。

みいちゃんの親友・ムツミ(ムウちゃん)登場

ムウちゃんは知的障害で療育手帳を持ち、刑務所帰り。
「福祉事務所に行こうよ」と誘うが、みいちゃんは強く拒絶する。

みいちゃんの遺体には覚醒剤反応。
1巻は、
「どうしてここまで追い込まれたのか」
という問いを残したまま終わる。

2巻ネタバレ 

みいちゃんの“過去”が明らかに

ハムスターのハムカツ

お客からハムスターをもらい、ハムカツと命名。
山田は世話ができるか心配で部屋を訪ねる。

みいちゃんの部屋はぬいぐるみだらけ。
「好きなものを集めているだけ」と無邪気に笑う。

山田は幼い頃、欲しいものを買ってもらえず育ったため、
ここでも二人の対照的な“育ち”が描かれる。

みいちゃんの本命の彼氏・マオ君

みいちゃんは本命の彼氏・マオ君に依存していた。

・殴られて顔を腫らして出勤
・生活費を渡す
・DVを受けても離れられない

みいちゃんは指名客のシゲオの接客中に、「今日、家に行ってもいい?」ときかれ「今日は無理!彼氏が泊まりに来てるから!」とあっさりいった。

仕事後、山田がシゲオくんみたいなタイプに彼氏がいると言ってはダメでしょと叱ると「タイプってなに?みいちゃんにとっては男の人はみんな同じ。エッチして喜んでもらってお金もらうだけ。」
と、価値観が根本から違う。

みいちゃんの衝撃の出生

みいちゃんは「実の兄妹」から生まれた子だった。
両親ともに知的障害を持ち、母親は支援を拒否。
みいちゃんは言葉が遅れ、母親は可愛がれなくなっていく。

学校では担任からもからかわれ、
特殊学級を勧められても、祖母は
「障害者扱いされるなんて恥」
と拒否。

差し伸べられた手

3年生になり、担任の先生が変わった。その担任はみいちゃんを特殊学級(現在の特別支援学級)に入れることをみいちゃんの母親や祖母に伝えるが障害者扱いされたことに怒り話を聞いてもらえなかった。祖母は近所にしれたら恥だと断った。

そしてみいちゃんは卒業までの3年間学校にいくことはなかった。

結果、みいちゃんは
小3〜小6まで学校へ行っていない。

3巻ネタバレ 

中学生のみいちゃん、誤った“承認”へ

ムウちゃんとの再会

中学校でも、みいちゃんは「じっとしていられない」「騒いでしまう」など困りごとが続く。

ムツミの母は「普通学級で言葉に触れたほうがいい」と判断し、特別支援学級には入れなかった。

佐藤くんへの初恋

保健室で声をかけられた佐藤に恋をする。
「嫌われたくない」気持ちから授業中もおとなしくなった。

しかし同級生に
「両思いになるにはコンドームが必要」
と嘘を教えられ、万引きしてしまう。

“エッチの褒め言葉”が心の依存に

上級生に「エッチが好きな子」と噂され、不良グループに回される。
しかしみいちゃんは、
「褒められること」=「正しいこと」
と誤認し、喜んでしまう。

その勢いで佐藤を呼び出し、「ヤろ?」とスカートをめくる。
当然、ドン引きされ、フラれる。

ここでみいちゃんは
“拒否”と“承認”の区別が分からないまま性に依存し、
中学にも通わなくなる。

祖母による“追い出し”

みいちゃんが東京に住んでいるのは祖母から宮城から離れたほうがいいといわれたから。部屋も見つけ、当面の生活費として100万渡して追い出されたのだ。父親はみいちゃんが5歳くらいのときにヤクザに売られた。

みいちゃんは保険証ももっていなかった。

2012年6月。就活をするココロにみいちゃんが話しかけてきた。他人のふりをする。夜、キャバクラで、日中街で見かけても声をかけないのは暗黙のルールだと叱った。

2012年夏、みいちゃんが消える

山田とみいちゃんは出勤前に買い物とご飯に出かけた。しかし、その夏、みいちゃんは山田の前から姿を消した。

3巻はここで終了。
残りの6か月で、みいちゃんは“死”へと向かっていく。

まとめ

読むほど胸が痛くなる、“救われなかった子”の物語

『みいちゃんと山田さん』は、
「なぜみいちゃんは殺されなければならなかったのか」
を追う物語ではありません。

それよりも、

・生まれた瞬間から支援が届かなかったこと
・性を“褒められる手段”として学んでしまったこと
・家族にも学校にも社会にも置き去りにされたこと

これらが積み重なり、
“みいちゃんという一人の子”が、大人になる前に崩れていく過程を丁寧に描いています。

漫画としては重いテーマですが、
「支援が届かなかった子ども」がどう生きるのかを真正面から描く稀有な作品です。

おわりに

『みいちゃんと山田さん』は、決して「読んでスッキリする物語」ではありません。
むしろ、読めば読むほど胸の奥がざわつき、
「あの子は、どうしてこうなってしまったんだろう」
と何度も立ち止まってしまうタイプの作品です。

でもその“ざわつき”こそが、作者が描こうとした現実なのだと思います。
「フィクションだから安心して読める」という作品ではなく、
どこかで“現実に生きている誰か”とつながっている物語だからこそ、
重さと痛みがちゃんと残る。

そして、だからこそ価値がある──
私はそう感じました。

ここまで読んでいただきありがとうごさいました。

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