はじめに
中国でBL作家が一斉摘発されたというニュースを調べた際に出てきた「清朗行動」についてわかりやすくまとめました。
「清朗行動」とは?
「清朗行動」は、中国政府(国家インターネット情報弁公室)が2021年から本格的に実施している、
インターネット空間の“浄化”と“思想統制”を目的とした国家主導のキャンペーンです。
この行動のもと、SNS・動画・小説・ゲーム・音楽・配信など、あらゆるネットコンテンツが取り締まりの対象になっています。
図解:「清朗行動」の対象と規制内容(2021年〜)
規制対象 | 内容例 | 規制理由(名目) |
---|---|---|
📱 SNS(X、Weibo等) | セレブゴシップ、同性愛関連の投稿、K-POP情報 | 青少年に悪影響、偶像崇拝の排除 |
🎬 動画・配信 | 肌の露出、BL的演出、金銭目的配信 | 風紀の乱れ、下品な内容の排除 |
📚 オンライン小説 | BL(danmei)、官能・恋愛描写 | わいせつ物扱い、健全な価値観の育成 |
🎮 ゲーム | フェミニンなキャラ、過度な課金要素 | 男女の価値観混乱、生活破壊 |
🧑🎤 芸能人・アイドル | フェミ系男子のメディア出演 | 「男らしさ」の奨励と道徳教育 |
なぜBL(Boys’ Love)が標的になるのか?
清朗行動では特にBL小説やBL系ドラマが“非主流文化”として警戒されており、以下のような理由で摘発対象となっています。
- 同性愛的表現が「不健全」と判断される
- 性的描写が含まれる作品は「淫秽物品(わいせつ物)」と分類
- 少女や若年層が好むジャンルとして、「国家の価値観育成」に逆行と見なされる
- 少子化対策・家族形成促進の観点から、“異性愛以外”を遠ざけようとする政策意図
実際の影響例
- 2021年:BL風人気ドラマ『山河令』が配信停止
- 2021年:フェミニンな男性アイドルが「娘炮」と批判されメディア排除
- 2023〜2025年:同人サイト「海棠文学城」の作家に一斉摘発
- BL小説投稿者(多くは女性・学生)に懲役・罰金・SNSアカウント凍結が発生
世界の視点から見た清朗行動
観点 | 意見 |
---|---|
✊ 表現の自由 | 過度な統制。創作活動を国家がコントロールすべきでないという批判多数 |
🌈 LGBTQ+の権利 | 同性愛を“見せない”という方針に対し、抑圧的・差別的との声が上がる |
📈 日本・韓国など隣国への影響 | 海外サイトに中国ユーザーが流入、文化摩擦・著作権問題の火種に |
おわりに
「清朗行動」は中国が掲げる“健全なネット空間”構築の名のもとに、実際は表現の自由や文化の多様性を制限する側面を強めています。
特にBLやLGBTQ+関連の創作物は、その“非主流性”ゆえに摘発の対象となっており、今後も表現の自由を巡る動きから目が離せません。
ここまで読んでいただきありがとうごさいました。
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