はじめに
先日の芦原妃名子さんの死亡を受けて、(芦原妃名子さん死因についての記事はこちら)
今まで自分の作品が実写化されたことのある作家さんたちが
様々な意見を発信しました。
その中で、海猿の原作者である佐藤秀峰さんの発信が注目を集めているので
まとめます。
実写化についてよかったという声
『帝一の國』古屋兎丸さん
出演した菅田将暉さんの対応が好ましかったそうです。
『ダンダリン一〇一』鈴木マサカズさん
出演した松坂桃李さんが「(自分が)原作にないキャラですみません」と挨拶にきてくれたそうです。
奥浩哉さん
原作者とかなり密にやり取りしたらしい実写化のワンピースは成功だったそうです。
実写化でトラブルがあった作品
『海猿』佐藤秀峰さん
フジテレビがアポイントもなく自身の事務所に突撃取材を行ったことや
抗議への対応が納得のいくものではなかったこと、
さらに『海猿』関連書籍を契約の締結なしに販売していたことを理由に
同作の続編制作を許可しないことを発表しました。
現在は配信でいることもできません。
『いいひと。』高橋しんさん
絶対変えないと約束した主人公の設定を変更されてしまい、
連載を終了するにまでいたってしまいました。
『のだめカンタービレ』二ノ宮知子さん
音楽、クラッシックを取り扱った作品なのに、
男性アイドルを主演にし、そのグループの曲を主題歌にしようとしたため、
二ノ宮さんが難色を示し、一度実写化が白紙になりました。
その後、俳優を変更しました。
『八神くんの家庭の事情』楠桂さん
設定が変えられすぎて全く別物で、途中で観るのもやめたそうです。
楠さんのクレジットも原作から原案に変更されました。
今回、自分の意見を発信した方
わたなべ志穂さん
芦原先生はとてもリスクを持ち発言されたと思います。
俳優さんを傷つけるのではないか、
ドラマを楽しんだ方から非難されるのではないか、
自分はこれ以上傷付くのか。
ドラマを見ながら先生は何度も皆様に頭を下げたはず。
申し訳ない気持ちでいっぱいだったはず。
と悲しみを発信しました。
森川ジョージさん
原作者が絶対といいました。
御池小路上ルさん
原作者がめんどくさいと言われ悲しかった。ということでした。
『いいひと。』高橋しんさん
本来、作家と他のメディアは対立する立場ではないので
作品を守るために
作品を他メディア化をするにあたっての羅針盤になるような仕組みを考えたい。
契約書や覚書き等の整備、
エージェントや弁護士さんを立てて
作家自身が矢面に立たなくてもいい様な仕組みなど、
トラブルになってからの仕組みは大事です。
ということでした。
浅野いにおさん
漫画家にとって自分の作品は命で、大切。ということでした。
黒丸さん
漫画の実写化は本当に難しい。だからこそ信頼関係が重要。ということでした。
『海猿』佐藤秀峰さん
死ぬほど嫌でした
というnoteを発表しました。notoはこちらです。
内容は海猿が映像化した際、契約が勝手に進んでいったこと。
自分の作品が好きなようにされ、
作品が自分の手から奪われていく感覚かあったこと。
さらには、自分ではない原作者を名乗る人物が
現れたと書かれています。
また、映画の見学に行った際、
出演者の俳優さんに嫌な態度をされたとあります。
伊藤英明さんの反応
海猿の主演俳優は伊藤英明さんなので、
佐藤秀峰さんに名指しされたわけではありませんが
インスタグラムで反応しました。
『海猿』は僕にとって一生の財産です。
伊藤英明さんインスタグラムより
いまだにありがたいことに『海猿』が大好きでした、
と声を掛けて下さる方、手紙を下さる方、
インスタグラムにメッセージを下さる方が沢山いらっしゃいます。
約20年前、現場に出向いて下さり佐藤先生に頂いた原画を
今も大切にしています。
撮影に携わった全員で過ごした時間も作品も自分の宝物です。
それを受けて佐藤さんが再びnoteで反応した(リンクこちら)のですが、
自分が見学に行ったのは2012年か2011年、しかしサインは2005年とある、
伊藤さんは誰に会ったのでしょう。という闇な話になっています。
おわりに
小学館&フラワー編集部から声明がでました。
著者の意向が尊重されることは当たり前のことであり、
小学館 作家の皆様 読者の皆様 関係者の皆様へより
断じて我が儘や鬱陶しい行為などではありません。
守られるべき権利を守りたいと声を上げることに、
勇気が必要な状況であってはならない。
私たち編集者がついていながら、
このようなことを感じさせたことが悔やまれてなりません。
二度と原作者がこのような思いをしないためにも、
「著作者人格権」という著者が持つ絶対的な権利について周知徹底し、
著者の意向は必ず尊重され、
意見を言うことは当然のことであるという認識を拡げることこそが、
再発防止において核となる部分だと考えています。
勿論、これだけが原因だと事態を単純化させる気もありません。
他に原因はなかったか。
私たちにもっと出来たことはなかったか。
個人に責任を負わせるのではなく、
組織として今回の検証を引き続き行って参ります。
漫画の実写化によって、原作者も脚本家も、編集者も俳優も
読者も、
だれもがWin‐Winの関係になれたらいいです。
だれも傷つかないでほしいです。
ここまで読んでいただきありがとうごさいました。
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