はじめに
『星を編む』は『汝、星のごとく』の続編として書かれました。
『汝、星のごとく』のネタバレ記事はこちら
『星を編む』は3章構成で
それぞれ違った視点で書かれています。
・春に翔(と)ぶ…北原先生の過去の話。
・星を編む…植木と二階堂、2人の編集者の話。
・波を渡る…櫂が亡くなってからの暁海と北原先生の話。
このブログを読むことで、星を編むの内容を知ることができます。
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あらすじ
櫂が亡くなってから5年
北原先生は相変わらず月に1度、菜々に会いに行っている。
そこで、暁海は「離婚しませんか?」と話しを切り出すのだか
先生から告げられたのは意外な事実だった。
お互いを思い合うあまりすれ違い、そしてその先にあったものは…
登場人物
・北原暁海(旧姓 井上)…オートクチュール刺繡作家。
・青埜櫂…暁海の恋人。漫画原作者。『汝、星のごとく』の作者。癌で33歳没。
・久住尚人…櫂と組んでいた作画担当。うつ病で自殺。ゲイで圭の元恋人。
・北原草介…高校教師。暁海の夫。
・明日見菜々…総合病院の一人娘。高校在学中に妊娠、出産。
・敦…菜々の恋人。ハーフパイプの有名な選手。
・北原結…菜々の娘。
・植木渋柿…柊光社 ヤングラッシュ編集長。元櫂と尚人の漫画担当。
・二階堂絵里…薫風館 Salyu編集長。
・小野寺さとる…元漫画家。現在は主婦。櫂と尚人の漫画のアシスタントをしていた。
相関図
あらすじとネタバレ
春に翔ぶ
明日見菜々は市で名の通った明日見総合病院の
一人娘として校内でも目立つ存在だった。
お金持ちの家で何不自由なく育った。
北原は菜々の化学の先生。
ある日、夜中に菜々が恋人の敦と外にいて警察に声をかけられているところを助けた。
それをきっかけに、菜々は化学準備室に通うようになる。
菜々は病院のためにお見合いをさせられていると話をした。
しかし親の決めた相手と結婚するなんていやです。
私は就職してお金を自分で稼いで好きな人と生きていたい。
と話した。そのためにアルバイトもしている。
体調が悪そう。
北原は両親がいい人すぎて、
自分の息子である自分より他人にお金を貸したりしていることが不満だった。
大学を卒業した後、大学院に進んだが
母が体を悪くして入院した時に諦めたその道を諦めた。
敦はハーフパイプで海外の大会でも入賞するほどの注目の選手。
敦は海外に行くことが決まっていた。
菜々は「敦君には自由に思いのまま生きて欲しい」と思っている。
菜々は敦の子を妊娠していた。
北原は敦や親に相談することを決める勧めるが
彼の夢を潰したくないから言い出せない。
北原の父が病院の近くの神社の石段から転落して死んだ。
それは同室者の娘が妊娠した話を聞いて、
安産祈願の祈願のお守りを取りに行ったからだった。
お金を貸していた元従業員も逃げていった。
善であることと弱者であることは、とき時同じ意味を持つ。
菜々が親に妊娠したことを話し(相手は隠した)、
父親に子供産ませないと言われ家出した。
最後に敦に会うとメッセージが来たから、
北原もそこに向かった。
駅で3人でいる時に菜々が破水してしまった。
敦は状況が理解出来ない。
そして有名人である敦は女性に声をかけられサインを求められた。
そのうち人が集まってきて敦にスマートフォンを向き始めた。
菜々は北原に「お願いします。助けてあげて」と言った。
菜々が敦を逃がすことを願っていることに気づいた先生は
「僕の子供です」「彼女のことを諦めてください」と敦に嘘をついた。
敦は嘘に気づいたが逃げた。
そのあと明日見総合病院で子供が生まれた。
菜々の父親は子どもを自分たち夫婦の子として戸籍に入れ、
なるべく早く特別養子縁組をするつもり、
菜々には死産だったと話すと言った。
北原は菜々が子供を育てたいと言っていたことから、
養子縁組に出すことを許せなかった。
そこで父親に反論するあまり菜々の相手なのでは?と
疑いが向いてきて、それに乗る形として
「僕が子供の父親です」
「だから僕の許可なく子どもを他人に渡すことは許しません」と嘘をついた。
その結果、子供を引き取ることになった。
北原は菜々に子供のは生きていることを伝えようとするが
連絡が取れないまま菜々が家出して連絡がとれなくなってしまった。
そして北原は母の実家があった島へ移住してきた。
星を編む
二階堂絵里はSalyu編集長になり、
櫂の遺作小説である『汝、星のごとく』の出版に意気込んでた。
ヤングラッシュ編集長に昇格していた植木渋柿は
櫂と尚人の未完だった漫画を完成させ、同時に売り出す。
ふたりは書店フェアや各方面への宣伝をとりつけ、
圭のインタビューも取れ、『あれは愛だった』と世間の誤解を解き
本の出版に成功した。
その一方でお互い家庭に問題を抱えていた。
絵里は不倫の手切れ金として白尾廉から原稿を脅し取った女として
その本が売れて編集長に昇進したと言われていた。
仕事を頑張るほど女を使っていると言われる。
絵里は既婚者。
夫の裕一は広告代理店のプランナーで
仕事の忙しさにも理解があった。
しかし裕一は自分の子供を欲しがっていた。
度々それを言われる絵里はまだ待ってくれ、仕事が落ち着いたら。
と断り続けていた。
しかしある日、裕一に子供をつくろうとしないことを理由に
離婚を言い渡されてしまった。
植木は櫂がプロットを残していた漫画を完成させようと
作画を小野寺さとるに依頼した。
植木は編集長になってから“作家を守る”ということを心掛けていた。
妻に家庭を任せていることに負い目を感じながらも
稼ぎがいいことで許されている、と思っていた。
ある時、妻が子供の中学受験や自分が社会復帰したい
という話をするが話し合いにならない。
妻はすでに諦めている。結果的に離婚。卒婚と言い張る。
『汝、星の如く』は無事発売され
重版がかかった。
その後映画化もされた。
二階堂と植木は互いに好意を持っているが
2人とも自制心で抑えた。
波を渡る
櫂の死後、5年が経っていた。
北原は月に一度菜々に会いに行っていた。
そんな中、暁海は北原と離婚しなければ。と思っていた。
瞳子は暁海の父親とカフェをして経営してた。
結は日系オーストラリアで寿司職人の彼氏、ノアと
結婚してオーストラリアで暮らすことになっていた。
北原はもちろん菜々の家には泊まっておらず、
近くのホテルに泊まっていた。
菜々には柄本立夏いう恋人がいた。
菜々が結に会えたのとき結はもう二十歳だった。
菜々は北原に「暁海に恋人だと誤解させて
おいたままにするのをやめたほうがいい、
5年経てば気持ちも変わる」と助言した。
翌日、暁海は「そろそろ離婚してもいいんじゃないでしょうか」と
北原に切り出した。
北原は菜々は恋人同士ではないことを告げた。
櫂の存在があり、それを踏まえた上の互助会結婚だったので
僕にも恋人がいた方がいいと思っていたと話した。
そして菜々がと出会った頃の話をし、
離婚はなしになった。
結は結婚した。
しかし4年後、ノアの浮気が原因で離婚。
娘のセレーナを連れ、北原家に帰ってきた。
暁海の母親はパートとして勤めていた農園で
主任を任せるられることになった。
そして恋人ができ、相手が新築マンションを買い、
一緒に暮らすようになった。
暁海は仕事仲間の向井に好意を寄せられた。
しかし北原のことを貶められることを言われ、
激しい怒りの感情を感じ自身も戸惑った。
北原は向井とスマホでやり取りする暁海を見て
好きな人が出来たと勘違いして「離婚しましょうか」と切り出す。
そして前に北原のことを言われて怒りが湧いた
先生ほど私を自由にしてくれる人はいませんと
言って離婚を断った。
北原が「互助会のルールを変更して変えてみません」か
と切り出し、“普通の夫婦のよう”旅行に行くことになった。
暁海と北原は『汝、星の如く』が映画化されたときの公演に呼ばれ東京へ行った。
北原は暁海が櫂のことを思うって考えこむことが
少しずつ嫌になっていたようだ。
暁海の父親は脳梗塞で倒れた後、半身に軽い麻痺が残ったが
リハビリに精を出したおかげで
何とか日常生活を送れるまでに回復した。
そして再び島で暮らし始めた矢先、
瞳子が事故交通事故で亡くなったため一人暮らし。
そのため、暁海と北原が顔を出すようになっていた。
暁海はオートクチュール刺繍の国内第一人者として認められていた。
映画化された本によって2人、北原と暁海も有名人になっていた。
櫂が死なずに生きていたら。
私と結婚していたら。とタラレバ話をする。
暁海の父のカフェは結が継いでいた。
結は寿司居酒屋やカフェを含め飲食店を5つもする
経営実業家になっていた。
菜々はNPO法人で知り合った当時中学一年生の萌夏(もか)を引き取っていた。
結は萌夏のことを『わたしの妹』と言う。
わたしにとって櫂は煌めく火花だった。
そして北原先生は海だった。
おわりに
暁海と北原先生に愛がうまれたことが私は意外でした。
自立していることが大切だと、前作から何度も思わせてくる作品でした。
ここまで読んでいただきありがとうごさいました。
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