コミックスの表紙原稿料が無償は問題か 漫画家業界の闇

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はじめに

『異世界居酒屋「のぶ」』コミカライズ作家のヴァージニア二等兵さんのXでのポストをきっかけに
漫画家のコミックス表紙無償問題がまた話題になっています。

単行本表紙も書店特典も単行本書き下ろしも原稿はゼロなんですわ。
それが習慣と編集者が堂々と顔出しでTVで言うのは驚き。 フリーランス法どうなんだろ?

問題の背景

漫画家がコミックスの表紙を無償で描くことは、近年の業界において一般的な慣習となっています。この慣習は、漫画家が自らの作品を宣伝するための一環として、出版社が表紙を販促の手段と見なすことから生じています。多くの漫画家は、表紙を描くことが自身の作品の認知度を高めるための重要な要素であると理解しているため、無償での制作を受け入れることが多いのです。
これにより、漫画家は自身の作品を広める機会を得る一方で、報酬を得られないという矛盾した状況に直面しています。

この慣習の背後には、出版社が表紙を販促の一環とみなす歴史的経緯があります。出版社は、表紙が作品の販売促進に寄与する重要な要素であると考え、漫画家に対して報酬を支払わないことが一般的になっています。

業界内では、表紙作成が印税に含まれるとされることが多いですが、実際には明確な基準が存在しません。このため、漫画家は自らの労働に対する報酬がどのように計算されるのか不透明な状況に置かれています。出版社によっては、表紙制作に対する報酬を明示的に支払うケースもありますが、全体としては不均一な状況が続いています。このような不透明性は、漫画家の権利を守る上での大きな障害となっています。

無償での表紙制作が常態化することは、漫画家のモチベーションに深刻な影響を与えています。報酬が得られないことで、漫画家は自身の作品に対する情熱を失いかねません。また、業界全体の健全性にも悪影響を及ぼし、優れた作品が生まれにくくなる恐れがあります。このような状況を打破するためには、業界全体での意識改革と、漫画家に対する適正な報酬の支払いが不可欠です。

出版社の報酬方針

出版社によって、コミックスの表紙作成に対する報酬の決定基準は大きく異なります。多くの場合、明確な報酬が定められていないため、漫画家は自らの労力に見合った対価を得られないことが多いのです。特に、表紙を描いても報酬が0円というケースが報告されており、これは業界全体の問題として浮上しています。漫画家たちは、出版社に対して報酬の支払いを求める声を上げています。 

漫画業界の報酬は、他のクリエイティブ業界と比較しても低いとされています。例えば、映画や音楽業界では、クリエイターに対する報酬が比較的高い傾向にありますが、漫画家はその労力に見合った報酬を得ることが難しい状況です。このような報酬の格差は、漫画家の職業選択に影響を与え、優秀な人材が他の業界に流出する原因ともなっています。

このような状況を改善するためには、報酬の透明性を向上させ、適正な報酬を確保することが求められています。業界全体での取り組みが必要であり、出版社は漫画家との契約内容を明確にし、報酬の基準を設定することが重要です。また、漫画家自身も自らの権利を理解し、適切な報酬を求める姿勢が必要です。これにより、漫画業界の健全な発展が期待されます。

漫画家の視点

多くの漫画家が、無償での表紙作成に対して強い不満を抱いています。特に、出版社が漫画家に対して表紙の作成に報酬を支払わないという慣行は、業界内で広く問題視されています。漫画家たちは、自らの作品を代表する重要なビジュアルである表紙を描くことに対して、適切な対価が支払われるべきだと主張しています。このような状況は、漫画家の創作意欲を削ぐ要因ともなり、業界全体の健全性にも影響を及ぼしています。

漫画家さんの不満の声

そんな訳で非常に残念なお知らせですが、12/4発売のコミカライズ異世界居酒屋「のぶ」19巻は特典無しです…おそらく表紙絵もありません

今回もマンガの表紙はお金が貰えず、0円です。
ワシは初連載で初めて単行本が出る時から「お金をください」と言い続けて8年ほど経ちますが、まだ貰えません。編集部ではなく会社の問題だと思う。これは「優越的地位の濫用」ではないのか。

一部の漫画家は、出版社から報酬を受け取ることができていますが、全体としてはそのようなケースは少数派です。特に人気のある漫画家や、長年のキャリアを持つ作家に限られることが多く、若手や新人漫画家は依然として無償での作業を強いられることが多いです。この不均衡な状況は、業界内での報酬の格差を生み出し、漫画家同士の競争を激化させる要因ともなっています。

出版社から報酬を受け取ることができた例

角川で仕事してた時に、特典とかの描き下ろしは担当さんが普段の原稿料のページ数を水増しして間接的に捻出してくれてたけどガチで異端の有能だった説ある(言って良いのかは不明)

単行本表紙の原稿料について。 KADOKAWAさんも含めて今まで付き合いあった編集者さんは全部出してくれました。

最近では、業界全体での報酬改善を求める声が高まっています。漫画家たちは、無償での表紙作成を強いられる現状を打破するために、団結して声を上げる必要があると感じています。SNSを通じて意見を共有し、同じ問題に直面している仲間たちと連携することで、より大きな影響力を持つことができると考えています。このような動きは、業界の慣習を変えるための第一歩となるかもしれません。

無償に納得している方の声

本編描き直し、オマケページ等やるかどうかは基本的に自由です。 これも作家に選択権があります。 但し、紙の単行本は○○ページ以上ないと発刊できないのでそれを満たさない場合は読み切りの使い回しや書き下ろしが必要となり、書き下ろしの対価云々ではなく発刊するかしないかの選択になります。

逆に聞きたいな。 漫画家が勝手に描いた表紙絵、オマケページ、表紙カバーを外したところの隠し絵、背表紙等など、 これら全てに対価を発生させろと言ってるの? この場合労働と原資が増えているのは出版社だよ? SNSで訴える作家さんの気持ちは同業者だから痛いほどわかる。 だけどそれに一方的に呼応するのはどうかと思うよ。 双方の主義主張を聞いて歴史を鑑みて判断するのがいいよ。 全てに対価が発生するならそれにこしたことはないけどね。

表紙絵がなくても売れた漫画はある

表紙にイラストがなくタイトルだけでも売れた漫画はあるので、表紙を描かないという選択肢も漫画家さんにはあるという意見も見られました。

真っ白でタイトル等しかない表紙でも売れた漫画はあるんです。 何を選択するかはその作家次第です。 他人が口出すことではないですよ。

イラストがないコミックスの例

CLAMP X
CLAMP PREMIUM COLLECTION X (1)
新ブラックジャックによろしく 
新ブラックジャックによろしく 完全版 1

著作権と法的側面

コミックスの表紙は、著作権法により保護される著作物であり、漫画家やイラストレーターが創作した作品です。しかし、実際には多くの出版社が表紙の無償使用を慣行として受け入れているため、著作権の扱いが曖昧になっています。特に、表紙が「商品」として扱われることが多く、無断での使用が許可される場合もありますが、これは出版社の方針によるため、注意が必要です。これにより、漫画家の権利が侵害される可能性があるため、業界全体での見直しが求められています。

著作権法は、表紙の使用に関して明確な規定を設けていないため、出版社ごとに異なる対応が見られます。ある出版社では、表紙の無償使用を許可している一方で、別の出版社では厳格に許諾を求める場合もあります。このような不均一な対応は、漫画家やイラストレーターにとって混乱を招く要因となり、業界全体の信頼性を損なう恐れがあります。したがって、出版社間での統一したガイドラインの策定が急務です。

解決策と提案

コミックスの表紙作成に対する報酬を明確にすることは、漫画家の権利を守るために不可欠です。多くの漫画家が表紙を描いても報酬が支払われない現状は、業界全体の信頼性を損なう要因となっています。出版社は、漫画家に対して適切な報酬を支払うことで、創作活動を支援し、持続可能な関係を築く必要があります。これにより、漫画家はより良い作品を生み出すことができ、結果的に出版社の利益にもつながるでしょう。

出版社と漫画家の間での契約を明確化することは、双方にとって重要な改善策です。契約内容が不明瞭な場合、漫画家は自らの権利を主張しづらくなり、結果として不当な扱いを受けることが多くなります。具体的には、報酬の金額や支払い条件、著作権の取り扱いについて明確に記載された契約書を作成することが求められます。これにより、漫画家は安心して創作活動に専念できる環境が整います。

おわりに

森川ジョージ先生は日本漫画家協会の常務理事なので、Xの投稿1つ1つが影響を及ぼしています。
まとめると、描くか描かないかは自由。でも売れていない作家は出版社に強気に出れない。という状況です。

コミックスの特典やおまけ漫画、カバー下などは私も楽しみで、例え連載中に掲載誌で読んでいてもコミックスを購入する理由だったので、作者が無償でやっていたのは驚きでした。
よりいっそうそういったものが豊富な作家さんを尊敬します。

ここまで読んでいただきありがとうごさいました。

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